【自動計算ツール】電圧降下の計算フォーム|電線の太さと距離からドロップ電圧を即判定

【魔導書の解読】基礎知識・計算

「プレハブまで30m飛ばしたいけど、2.0mmで大丈夫かな?」「電圧が下がってエアコンが動かなかったらどうしよう……」

そんな不安を解消するために、現場で即座に使える電圧降下計算ツールを作成しました。数値を入力するだけで、ドロップする電圧(V)を算出します。内線規程の基準と合わせて確認してください。

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電圧降下シミュレーター(単相2線式)

以下の空欄に数値を入力して「計算する」を押してください。 ※内線規程に基づき、公式 e = (35.6 × L × I)/(1000 × A) で算出します。

電圧降下シミュレーター

電圧降下 計算フォーム

そもそも電圧降下とは?公式の意味を理解する

電圧降下とは、電線に電流が流れるときに電線自体の抵抗によって電圧が下がる現象です。水道に例えると、長いホースで水を流すと末端で水圧が落ちるイメージに近いです。

電工の現場で使う計算公式は以下の通りです。

単相2線式:e = (35.6 × L × I)÷(1000 × A)

三相3線式:e = (30.8 × L × I)÷(1000 × A)

各記号の意味はこうです。

記号意味単位
e電圧降下(ドロップする電圧)V(ボルト)
L電線の長さ(片道)m(メートル)
I使用電流A(アンペア)
A電線の断面積mm²(平方ミリ)

「35.6」と「30.8」は電気抵抗率から導かれた定数です。単相は往復2本分の抵抗、三相は√3の係数が入るため数値が違います。この定数自体を覚える必要はありませんが、「距離が2倍になれば電圧降下も2倍」「電流が2倍になれば電圧降下も2倍」という比例関係だけは現場感覚として持っておいてください。

電圧降下を無視するとどうなる?現場で起きる3つのトラブル

「多少電圧が下がっても動くでしょ」と安易に細い電線を選んでしまうと、以下のような深刻なトラブルを招くことがあります。

1. 機器の寿命が縮む(特にモーター類)

エアコンやコンプレッサーなどのモーター機器は、電圧が低い状態で動かそうとすると、必要なパワーを出すために過剰な電流を流そうとします。これにより内部コイルが異常発熱し、最悪の場合は焼き付き(故障)の原因になります。

2. 電子機器の誤作動・再起動

パソコンや通信機器、LED照明などは電圧の変動に敏感です。電圧降下が激しいと、**「急に電源が落ちる」「照明がチラつく(フリッカー現象)」**といった不具合が発生し、現場のクレームに直結します。

3. 電気代のムダ(電力ロス)

電圧が降下しているということは、その分が**「電線そのものが熱を持って電気を捨てている」**ということです。長い目で見れば、細い電線で無理をさせるよりも、太い電線でロスなく送電する方がランニングコストは安くなります。

電圧降下の「許容範囲」はどれくらい?

計算結果が出ても、それが「大丈夫な数字なのか」が重要です。内線規程では以下のように定められています。

  • 原則:2%以内(100Vなら2V、200Vなら4Vまで)
  • 受電点から末端まで:4%以内(100Vなら4V、200Vなら8Vまで)

もし計算結果がこれを超える場合は、電線のサイズ(太さ)をワンランク上げる必要があります。

電線サイズ選定の考え方|現場でよく使う組み合わせ

計算ツールを使う前に、よく使う電線サイズと許容電流の関係を把握しておくと判断が速くなります。

電線の太さ断面積許容電流(60℃絶縁・埋設なし)主な用途
1.6mm2.0mm²27A分岐回路・照明
2.0mm3.5mm²35A分岐回路・コンセント
2.6mm5.5mm²49A小容量幹線
CV 8mm²8mm²61A幹線・動力
CV 14mm²14mm²88A幹線
CV 22mm²22mm²115A幹線

現場でよく直面するケースと、選定の目安はこのようになります。

ケース①:プレハブや仮設への長距離配線(30〜50m)

1.6mmや2.0mmで距離を延ばすと電圧降下が許容値を超えやすいです。30mを超えるなら2.6mm(5.5sq)、50mを超えるならCV 8mm²以上を検討してください。エアコンや大型工具を使う場合は電流値も大きいので、必ずこのツールで事前に確認してから発注することをおすすめします。

ケース②:太陽光・蓄電システムの直流回路

直流回路の電圧降下は交流より深刻になる場合があります。このツールは交流(単相2線式)向けですが、公式の構造は同じです。システム電圧や電流値をメーカー仕様書で確認してから計算してください。

ケース③:三相動力回路(モーター負荷)

三相3線式の場合は公式が「30.8 × L × I ÷(1000 × A)」に変わります。モーター起動時は定格電流の5〜7倍の突入電流が流れるため、定格電流ではなく起動電流ベースで計算するのが安全です。

電圧降下対策におすすめのアイテム

計算で「ドロップしすぎ」と出たら、以下の準備をしましょう。

ギルドマスター・モリの現場メモ|電圧降下で失敗した話

電工6年目の私が実際にやらかした話をします。

2年目のとき、外構照明の配線で「まあ20mくらいだし1.6mmで余裕だろ」と計算もせずに材料を手配したことがあります。施工後に照明がなんとなく暗い気がして、先輩にテスターで測ってもらったら末端で3Vも落ちていました。100Vに対して3%ドロップ。内線規程の2%基準をオーバーしていて、やり直しになりました。

材料代よりも「やり直しの工数」の方がよほど痛い。その経験から、30m以上の配線は必ず事前に計算する習慣がつきました。

このツールは私が「あの時これがあれば…」と思って作ったものです。材料発注前の5秒のチェックが、現場の手戻りを防ぎます。ブックマークしておいてください。

また、電圧降下の計算は第二種電気工事士の筆記試験にも出題されます。「公式を使って電圧降下を求めよ」という形式で年1〜2問程度出るので、この計算ツールを実際に動かしながら公式の使い方を体感しておくと試験勉強にもなります。

試験対策は→ 第2種電気工事士 筆記試験対策クイズ500問【無料・解説付き】

まとめ:正確な計算が「手戻り」を防ぐ

電気工事の現場において、後から「電圧が足りなくて動かない」と判明した時の手戻りほど恐ろしいものはありません。

  • 1.6mmよりも2.0mm、2.0mmよりも2.6mm(または5.5sq)
  • 距離が30mを超える場合は、必ず一度シミュレーターで確認する。
  • 不安な時は「ワンランク上の太さ」を選択するのがプロの判断。

今回紹介した計算ツールをブックマークして、材料発注前の最終チェックにぜひ活用してください!

今回の計算で使用した公式

自分で計算したい時や、試験勉強のために以下の公式をメモしておきましょう。

電圧降下の計算公式(単相2線式 e=35.6LI/1000A、三相3線式 e=30.8LI/1000A)

よくある質問

Q. 電線の長さは片道と往復どちらを入力すればいい?

このツールは片道の長さ(L)を入力してください。公式の「35.6」という定数の中にすでに往復分(×2)が含まれています。分電盤から負荷まで30mなら、Lに「30」を入力します。

Q. 三相3線式(動力)にも使える?

このツールは単相2線式専用です。三相3線式の場合は計算式の定数が「35.6」ではなく「30.8」になります。三相の場合は手動で「e = 30.8 × L × I ÷(1000 × A)」に当てはめて計算してください。

Q. 断面積(mm²)が分からない場合はどうすればいい?

VVFケーブルの場合、ケーブルの外皮に「VVF 2.0-2C」のように印字されています。「2.0」が導体の直径(mm)を指し、断面積に換算するとおよそ3.5mm²です。よく使うサイズの対応表はこのページの「電線サイズ選定」の表を参照してください。

Q. 計算結果が許容値を超えた場合、どうすればいい?

電線を太くするか、分岐点(電源取り出し位置)を負荷に近づけるかの2択です。電線を太くする場合、まず「ワンランク上」のサイズを入力して再計算してください。それでも超える場合はさらに太くするか、動力用の太いCVケーブルへの変更を検討してください。

合格報告も、現場のクエスト達成報告も、待っています⚡

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