【CVT許容電流の覚え方】スケア別早見表と現場で使える暗記術を電工6年目が伝授

【魔導書の解読】基礎知識・計算

「CVTの許容電流、何sqで何アンペアだっけ……」

現場で幹線を引くとき、図面を持っていても、あの表を全部暗記している電工は正直少ないです。でも、「何となく知っている」と「根拠を持って即答できる」の差が、プロとしての信頼につながります。

この記事では、CVT(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース3心より線ケーブル)の許容電流をスケア別に整理しつつ、現場で実際に使える**暗記の「型」**をお伝えします。試験対策にも、実務の再確認にも活用してください。


そもそもCVTとは何か

CVTを一言で言えば、**「幹線工事の主役ケーブル」**です。

  • C :Cross-linked polyethylene(架橋ポリエチレン)絶縁
  • V :Vinyl sheath(ビニルシース)
  • T :Twisted(3本より合わせ)

CVケーブルの3心より線バージョンがCVTです。3本を撚ることで取り回しがしやすくなっています。分電盤への引き込みや、動力回路の幹線として、現場では必ずといっていいほど目にするケーブルです。


【スケア別早見表】CVT許容電流一覧

※周囲温度40℃・気中布設(単条)の標準値。施工条件によって変わるため、設計時は必ずメーカー技術資料を確認すること。

スケア(sq)許容電流(A)現場での主な用途
5.5sq49A小型動力、住宅幹線
8sq61A一般住宅メイン幹線
14sq88A店舗・集合住宅の幹線
22sq115A100Aクラスの二次側
38sq152A150Aクラスの幹線
60sq202A200Aクラスの幹線
100sq279A大規模施設の主幹線
150sq352A工場・商業施設
200sq414A特大容量の受変電設備

【本題】現場で使える「CVT許容電流の覚え方」

正直に言います。全部丸暗記は不可能ですし、する必要もありません。

大切なのは**「ざっくりした感覚値」と「計算の引き出し」を持つこと**です。以下の3つを頭に入れておくだけで、現場での判断スピードが格段に変わります。


①「22sqで約100A」を基準点にする

CVTの許容電流を覚えるなら、まずここだけ覚えてください。

22sq ≒ 115A → 「22sqで100Aを余裕で流せる」

なぜ22sqを基準にするのか。それは、100Aのメインブレーカー二次側に使われる最も一般的なサイズだからです。現場で「100Aの幹線何sqで引く?」と聞かれたとき、「22sqで大丈夫です」と即答できれば、それだけで信頼が上がります。


②「スケアが倍になっても、電流は倍にならない」を知る

これを知らずに丸暗記しようとすると、必ず混乱します。

許容電流は断面積(sq)に比例しません。正確には断面積の平方根に近い関係で増加します。つまり:

  • 22sq → 115A
  • 44sq(22sqの2倍)→ 約160A(115Aの2倍にはなりません)

「倍にしたら倍流せる」という思い込みは危険です。実際の表の数値を、上の基準点から「増え方が鈍くなる」イメージで紐付けておくと、頭に入りやすくなります。


③「ブレーカーの定格」と「必要なCVTのsq」を対応表で覚える

現場での実用性を考えると、「このブレーカー容量ならこのsqを使う」という対応関係の方が、許容電流の数値を丸暗記するより100倍役に立ちます。

ブレーカー定格(A)最低限必要なCVT現場でよく使う選定
30A5.5sq(49A)5.5sq
50A8sq(61A)8sq
75A14sq(88A)14sq
100A22sq(115A)22sq
150A38sq(152A)38sq
200A60sq(202A)60sq
300A100sq(279A)100sq

この表をスマホに保存しておいてください。現場での選定作業が劇的に速くなります。


実務で必ず確認すべき「電流減少係数」

許容電流の表は、あくまでも理想的な条件(単条・気中布設)での数値です。実際の現場では以下の条件によって必ず補正が必要になります。

複数条の布設(多条布設)

電線管にCVTを複数本まとめて通すと、相互に熱の影響を受けて許容電流が下がります。

同一管内の条数電流減少係数
3条以下0.70
4条0.63
5〜6条0.56
7〜15条0.49

例:22sqのCVTを同一管に4条通す場合 115A × 0.63 ≒ 72A が実際の許容電流になります。 これを無視して100Aのブレーカー二次側に使うと、理論上は電線がオーバーロードになります。

周囲温度の影響

標準の許容電流表は周囲温度40℃を基準としています。天井裏や機械室など、40℃を超える場所では許容電流はさらに下がります。真夏の現場では特に注意が必要です。


ギルドマスター・モリの現場メモ

新人の頃、先輩に「22sqで100A引けるか確認しろ」と言われて、電卓を叩いて計算し始めたことがあります。

先輩は5秒で「22sqでいい」と言い切りました。

当時は「なんでそんなに速いんだ」と思っていましたが、今ならわかります。「22sqで100A」という基準点が頭に入っていれば、あとはそこから判断するだけです。

全部覚えようとしないでください。まず「22sqで100A」の一点を完全に刻み込んでから、そこを起点に広げていく。それが現場で使える知識の積み方です。


まとめ:CVT許容電流、覚えるのはこの3点だけでいい

  1. 「22sqで約115A(≒100Aブレーカーの二次側に使う)」を基準点にする
  2. 「スケアが倍でも電流は倍にならない」という感覚を持つ
  3. 「ブレーカー定格とCVTのsq」の対応表を現場で使える形で持っておく

そして、多条布設と周囲温度の補正係数を忘れないこと。 これが、表を丸暗記するよりも何倍も実務で使える「本物の知識」です。


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