1週間後の現場が見えているか?RC造マンション電気工事で後悔しないための工程と段取りの全て

【必殺スキル】現場技術と手順

「電気工事ってどんな順番でやるの?」

電工として現場に入ったばかりのころ、全体像がつかめなくて何をしているのか理解できないまま作業していた、という経験はありませんか。

RC造(鉄筋コンクリート造)の新築マンションの電気工事は、木造や鉄骨造とは大きく異なります。コンクリートを打設する前にボックスの取付や配管を完了させなければならず、打設後は変更が効きません。一つの工程が遅れると後の全工程に影響するため、他業種との連携と段取りが特に重要な現場です。

この記事では、RC造新築マンションの電気工事の全体像と、各工程で関わる他業種との関係を解説します。


RC造新築マンション電気工事の6工程

工程主な作業タイミング
① 墨出し器具・配管の取付位置をマーキングコンクリート打設後・各工程前
② ボックス取付・配管ボックス固定・スラブ配管・インサート取付コンクリート打設前
③ 配線(入線)配管の中に電線を通すボード工事後・クロス前
④ ボード開口スイッチ・コンセント位置のボードを開口ボード工事後・クロス前
⑤ 器具取付スイッチ・コンセント・照明器具を取付クロス工事後
⑥ 検査・試験絶縁抵抗測定・導通確認・点灯確認器具取付後・引渡し前

RC造の最大の特徴は「②ボックス取付・配管がコンクリート打設前」という点です。 コンクリートが固まってしまうとケーブルを通すための配管が入れられなくなり、ボックスがないと配線器具が取り付けられなくなります。この工程を逃すと取り返しがつかないため、打設スケジュールを常に把握して先行して動く必要があります。


各工程で関わる他業種

RC造新築マンションの現場には多くの業種が関わります。電気工事はその全てと何らかの形で連携します。


コンクリート打設前に関わる業種

型枠大工

スラブ配管・ボックス取付・インサート取付は、型枠が組まれた後・コンクリート打設前に行います。型枠大工の作業進捗を常に把握して、型枠が完成したらすぐに電気工事に入れる段取りをしておく必要があります。また、型枠の上に配管を仕込む際は型枠大工と干渉しないよう調整が必要です。

鉄筋工

配管はスラブの鉄筋の間を縫うように敷設します。鉄筋が密に組まれている箇所は配管のルートを変更する必要が生じることがあります。配筋検査の前に配管が完了している必要があるため、鉄筋工の作業スケジュールに合わせて動くことが重要です。


コンクリート打設後〜ボード工事前に関わる業種

内装大工(ボード工事)

ボード工事が始まる前に壁・天井の配管を完了させる必要があります。内装大工のボード工事が始まってしまうと壁の中に配管を入れられなくなります。「今日どのフロアをやる?」という確認を毎日行い、内装大工より先に配管が終わっている状態を維持することが重要です。

設備工事(給排水・空調・衛生)

天井裏や壁の中のスペースは限られています。電気の配管ルートと設備の配管ルートが競合することが多く、「ここに俺らの管を入れたい」という話し合いが必要になります。調整が遅れると後からルートを変更しなければならず、大幅なロスにつながります。

断熱材吹付業者

断熱材の吹付が行われる前に壁・天井の配管が完了している必要があります。吹付後に配管を通そうとすると断熱材を剥がす必要が生じるため、断熱材吹付のスケジュールを把握して先行して配管を完了させておくことが必要です。

窓サッシ業者

窓サッシの取付工事と電気配管が干渉することがあります。特にサッシ周辺のコンセントや換気扇の配管は、サッシ業者の作業前に完了させるか、調整を取りながら並行して進める必要があります。


ボード工事後に関わる業種

クロス(内装仕上げ)業者

入線・ボード開口はボード工事後・クロス工事前に行います。クロスが貼られると開口箇所が見えなくなるため、クロス工事前にボード開口を完了させておく必要があります。クロス業者の進捗を確認して、貼り終わった部屋から順番に器具取付に移っていく流れになります。

火報(自動火災報知設備)業者

感知器・発信機・受信機などの自動火災報知設備の工事は、電気工事と並行して進みます。天井内の配管スペースや器具取付位置が競合することがあります。火報業者とは配管ルートの調整や、電源の取り出し位置について打ち合わせが必要です。

弱電業者(TV・LAN・インターホン等)

テレビ配線・LAN配線・インターホン配線を行う弱電業者とも配管ルートが競合することがあります。弱電配管と電力配管は離隔距離(電波干渉を防ぐための距離)を確保する必要があるため、配管の位置を調整する必要があります。


仕上げ〜引渡し前に関わる業種

エレベーター業者

エレベーターの電源工事は電気工事の担当です。エレベーター業者との間で電源の仕様・引込位置・工事のタイミングについて調整が必要です。エレベーターの据付工事が始まる前に電源工事を完了させておく必要があります。

自動ドア業者

エントランスや共用部の自動ドアへの電源供給も電気工事の担当です。自動ドア業者との間で電源容量・引込位置の確認が必要です。


ギルドマスター・モリの現場メモ|RC造は「先行逃げ切り」が鉄則

RC造の新築マンション現場で一番大事なのは「先行逃げ切り」です。

コンクリートを打ってしまったら変更が効かない。ボードが貼られたら壁の中に入れない。クロスが貼られたら開口できない——RC造の現場はあらゆる工程に「期限」があります。

「まだ大丈夫」と思って後回しにすると、気づいたときには手遅れになっていることがよくあります。他業種の動きを毎日確認して、常に一歩先を動く意識が、RC造現場での電工の基本姿勢です。

朝礼での工程確認と、各業種の職人とのコミュニケーションが、技術力と同じくらい——いやそれ以上に——現場での成果を左右します。


まとめ

RC造新築マンションの電気工事は6工程で進みます。

  1. 墨出し:取付位置のマーキング
  2. ボックス取付・配管:コンクリート打設前に完了(最重要)
  3. 配線(入線):ボード工事後・クロス前
  4. ボード開口:スイッチ・コンセント位置の開口
  5. 器具取付:クロス工事後
  6. 検査・試験:絶縁確認・点灯確認

各工程は型枠大工・鉄筋工・内装大工・設備・断熱・クロス・火報・弱電・エレベーター・自動ドアなど、多くの業種と連動して進みます。電気工事は「他業種より先に動く」という意識が現場での信頼につながります。

各工程の詳しい手順は別記事で解説しています。

  • 【②ボックス取付・配管】[打設前に終わらせないと詰む。RC造新築マンションのスラブ配管・ボックス取付全手順](準備中)
  • 【③配線・入線】[雑な配線は後で必ずバレる。RC造新築マンションのきれいな先行配線のやり方と使う材料](準備中)
  • 【④ボード開口】[1mm狂うと器具が付かない。RC造新築マンションのボード開口を一発で決める手順](準備中)
  • 【⑤器具取付】[基本ミスが一番怖い。RC造新築マンションの器具取付で絶縁不良を出さないための手順](準備中)
  • 【⑥検査・試験】[数字が出なければ引渡しできない。RC造新築マンションの絶縁試験・導通確認の全手順](準備中)

コメント

タイトルとURLをコピーしました